(別紙2)

10生生第8の2号
平成10年3月31目


各都道府県専修学校主管課長
各都道府県教育委員会専修学校主管課長
専修学校を置く国立大学長  殿

文部省生涯学習局生涯学習振興課長  

寺 脇  研

今後の職業能力開発施設の在り方等に関する

文部省・労働省の合意について(通知)


 今後の職業能力開発施設の在り方については、これまで文部省・労働省の両省で協議を進めてきたところですが、この度、両省問で下記の事項について合意に至りましたので、お知らせします。
 今回の合意においては、今後の職業能力開発施設の在り方として、学校教育との重複を避け、かつ、これとの密接な連携の下に行うものとの観点に立って、公共職業能力開発施設においては今後在職者等の積極的な受入れに努めるべきものであること、新規学校卒業者のみを対象としているかのような誤解を招く広報・勧誘等を行わないこと、パンフレット等においては、学校教育との混同がなされないよう記述に十分に配慮すること等が盛り込まれておりますが、特に都道府県立の公共職業能力開発施設の整備に当たっては、私立学校担当部局との連絡調整を密にするとともに、地元で専修学校等関係者も含めた協議の場等を設け、地域の状況を踏まえつつ、調整を図り、特に、労働大臣の認可を受けて職業能力開発短期大学校や新・職業能力開発大学校を設置しようとする場合には、入学定員や名称、設置場所、訓練分野等の必要な事項について調整を図ることが必要である旨記述されておりますので、今後の対応について遺漏なきようよろしくご配慮ください。
 なお、貴管下の専修学校等に対してもこの旨周知するようお願いします。


【1.今後の公共職業能力開発施設の在り方について】
 公共職業能力開発施設における職業訓練は、学校教育との重複を避け、かつ、これとの密接な関連の下に行うものであり、その観点から、今後の公共職業能力開発施設の改組・整備については、専修学校等における学校教育との重複・連携等に十分配慮して行うものであること。

このため、下記の事項に十分配慮すること。

(1)雇用促進事業団(以下「事業団」という。)が設置する職業能力開発募早期大学校、新・職業能力開発大学校及ぴ新しく設けられる職業能力開発総合大学校(指導員訓練を除く。)(以下「職業能力開発短期大学校等」という。)においては、今回の大学校化に当たり入学定員の総数を2割程度減少させる方向で見直すものとし、今後、新規学校卒業者の増を必然的に伴うような入学定員の総数の増加は原則として行わないこととすること。
(2)公共職業能力開発施設においては、今後、在職者や離転職者、障害者等の新規学校卒業者以外の者(以下「在職者等」という。)の受入れ及びこれらを対象とした職業能力開発にこれまで以上に積極的に努めちこととする。このため、事業団が設置する職業能力開発短期大学校等では在職者等の社会人を対象とする職業訓練に今後なお一層積極的に取り組むこととし、短期大学校が行う入校者選抜に当たっても、在職者等の社会人を優先的に受け入れるための新規学校卒業者とは別の入校者選抜を行うなど在職者等が入りやすい環境を積極的に整備すること。
 また、都道府県段階におけう協議においても上記の考え力及び環境の整備が重要であるということについて、都道府県に対して周知すること。

(3)学校教育との重複を避けるという観点から、事業団立の公共職業能力開発施設について、専修学校等において内容的地域的に見て既に十分にニーズが満たされていると評価しうる分野については、今後、廃止も含めた縮小の方向で検討すること。

(4)公共職業能力開発施設のパンフレット等において新規学校卒業者のみを対象としているかのような誤解を招く表現をすることや、新規学校卒業者のみを対象としているかのような誤解を招く方法での勧誘等を行わないこと。

【2.都道府県立の公共職業能力開発施設の設置・改廃について】
 公共職業能力開発施設における職業訓練は、学校教育との重複を避け、かつ、これとの密接な連携の下に行うものであり、その観点から、都道府県立の職業能力開発短期大学校等の公共職業能力開発施設を整備する場合には、私立学校担当部局との連絡調整を密にするとともに、地元で専修学校等関係者も含めた協議の場等を設け、地域の状況を踏まえつつ、調整を図ること。特に、労働大臣の認可を受けて職業能力開発短期大学校や新・職業能力開発大学校を設置しようとする場合には、入学定員や名称、設置場所、訓練分野等の必要な事項について調整を図ること。

【3.職業能力開発施設の名称等について】
 公共職業能力開発施設及び認定職業訓練を行う事業主等の設置する職業訓練施設は、職業能力開発促進法に基づく施設であり、学校教育法に基づく施設であるかのように混同させる表現を用いた名称をこれらの施設が用いることは適当ではないと考えられることから、以下の点を指導すること。

(1)今後設置する施設については、
  1 名称として職業能力開発促進法上の施設であることが明らかとなるような名称を用いるようにすること。
  2 学校教育法の解釈に基づきまぎらわしいとされる名称は用いないこと。

(2)パンフレット等においては、学校教育との混同がなされないよう十分配慮した記述にすること(例えば、職業能力開発促進法上の施設であることを併記することその他誤解を招く記述は避けること、)。
 特に、募集用及び広報用パンフレット、インターネットのホームページ等では、上記の趣旨が反映されるよう十分配慮すべきこと。
(3)上記に掲げるほか、具体の案件や不適切であると考えられるものが生じた場合、両省協力して指導すること。

(4)現在協議中の職業能力開発短期大学校及び既存の施設の取扱いについては引き続き検討すること。

【4.公共職業能力開発施設の授業料等について】
 雇用促進事業団立の職業能力開発総合大学校、新・職業能力開発大学校、職業能力開発短期大学校の授業料等については、国立大学、国立短期大学の授業料等との均衡を図る方向の具体化に向けて検討すること。
 また、都道府県立の公共職業能力開発施設の授業料等については、受益者負担の観点から、都道府県の実情に応じ、その徴収のあり方について検討すること。