夜明け前の闇   夜明け前の闇
 

 「夜明け前の闇こそ、実は最も暗いのだ」
 第二次世界大戦時の英国首相チャーチルの演説を最近よく思い返す。失業中の自分と、ナチスドイツの攻撃を浴びていた当時の英国を、身分不相応にも重ね合わせる。「朝の来ない夜は無い」。この言葉も演説の中にあったかと思うが、記憶は定かでない。逆境に立つ人に対しよく使われるだけに、誰が言ったにせよ心の琴線に触れる響きがある。

 日本の失業率は5.5%を超す高水準で推移している。離職の理由は人それぞれだが非自発的型が増え、再就職を目指す人間にとって過酷な現状が続く。人生を一日にたとえれば、今は朝を遠く感じる夜といえようか。筆者自身、就職活動をしてみると現実の厳しさを実感せざるをえない。

 それでも希望に近い再就職の望みを持って、パソコンの職業訓練に通い続けた。「朝の来ない夜は無い」は確かだが、自分を高める努力をしなければ、朝日のよく見える位置に行くことはできないと思うからだ。今年1月の開校から3か月。正直いってワープロで手紙を書くこともできなかったが、今はワードやエクセルを、まがいなりにも使っている。先日は日商のワープロ日本語文書検定とビジネスコンピューティング検定を受験した。私のかつての「ITオンチ」ぶりを知る前の会社の同僚は「うそだろう」と信じてくれないが…。40歳にして新たなチャレンジができたのは、幸せなことかもしれないと感じている。 

 
 

 3か月間の職業訓練は当初の予想に反しあっという間に終わり、4月から本格的な求職活動に入る。現在が「夜明け前の闇」であると期待したいが、現実は甘くないだろう。それでも希望と3か月の学習で得た成果を忘れず、「採用の朝」を勝ち取りたい。筆者は英国びいきではないが、チャーチルの言葉をもう一つ借りよう。大戦後の演説から。
 「ネバー、ネバー、ネバーギブアップ(決して、決して、決してあきらめるな)」