高等部の「家政福祉コース」ではホームヘルパー2級の取得が可能です。


ぜホームヘルパーが必要となるのか

 長寿国である日本は、平均寿命が男女とも75歳以上と、諸外国に比べて圧倒的に高い水準となっています。昭和25年で406万人であった65歳以上の人口は、平成6年には、その4倍強の1759万人に増加しました。この先の2010年(平成22年)には、2775万人と、国民の5人に1人が高齢者となる時代を迎えようとしています。

 高齢になると、誰でも病気がちになったり、身体が自由に動かなくなったりと、日常の生活がだんだんと困難になってきます。そこで何かの手助け、つまり「介護」が必要となってきます。今、何らかの形で介護を必要としている高齢者は200万人余りいらっしゃいます。今後はさらに増加し、2000年(平成12年)には280万人、2025年(平成37年)には530万人に達すると見込まれています。

 現在の高齢者の介護は、家族が行っているケースが大半を占めています。ところが出生率の減少により、家族の人数が少なくなっていますので、身内による介護は段々と大変になってきています。介護をしている人が、同じ高齢者であるケースもあります。


 ここで大切な役割を果たすのが、介護の専門職である「ホームヘルパー」です。ホームヘルパーとは、介護を必要とする家庭を訪問し、食事や入浴、着替えの介助等、身の回りの全てにわたる手助けを行う人を言います。介助を必要とする人たちが豊かな生活を送ることができるように、心と身体のケアをする大切な存在です。しかし現在では、こういった重要な役割を担っているホームヘルパーは大幅に不足しています。



 厚生省の調べでも、「世帯の誰かが介護を必要とするようになった場合どうするか」の問いに対し、介護経験の有無を問わず全体の六割の人が「家族が中心となり、在宅サービスに補ってもらいたい」と答えています。それだけ在宅サービスへの期待と必要性を強く感じている結果と言えるでしょう。


 ホームヘルパーとして励んでいらっしゃる方は、現在約16万人。しかし、まだまだ需要が高まっており、2010年には今の3.5倍にあたる56万人が必要とされる推計も出ています。人を思いやる気持ちと専門技術を持ったホームヘルパーは、これからの高齢化社会には必要な存在です。


(資料:総務庁統計局「国勢調査」及び厚生省人口問題研究所「日本の将来推計人口」、厚生省大臣官房統計情報部「国民生活基礎調査」「社会福祉施設等調査」「患者調査」「老人保健施設実体調査」「平成四年国民生活基礎調査」、厚生省老人保健福祉局)



ホームヘルパーになれば
■福祉施設や医療機関で活躍できます
ホームヘルパーとして個人宅へ出向いて介護を行うことの他に、老人保健施設や養護老人ホーム等福祉施設の介護スタッフとして、また、病医院など医療機関の院内ヘルパーとして活躍することができます。
■介護福祉士の資格取得を目指せます
介護福祉士とは、介護指導を含め介護に係わる仕事に従事するための国家資格です。ホームヘルパーとして3年間業務に従事すると、介護福祉士の受験資格が得られます。
■地域のボランティア活動に技術や知識を活かせます
地域の高齢者が社会活動に参加するときには、それを支える人たちが必要です。ホームヘルパーとしての確かな技術と知識は、こうしたボランティア活動に役立ちます。
■自分の家族のために
一番身近な家族を介護するときでも、身につけた技術と知識は、介護をする方の大きな自信となります。

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