※高等部の「家政福祉コース」ではホームヘルパー2級の取得が可能です。
高齢になると、誰でも病気がちになったり、身体が自由に動かなくなったりと、日常の生活がだんだんと困難になってきます。そこで何かの手助け、つまり「介護」が必要となってきます。今、何らかの形で介護を必要としている高齢者は200万人余りいらっしゃいます。今後はさらに増加し、2000年(平成12年)には280万人、2025年(平成37年)には530万人に達すると見込まれています。
現在の高齢者の介護は、家族が行っているケースが大半を占めています。ところが出生率の減少により、家族の人数が少なくなっていますので、身内による介護は段々と大変になってきています。介護をしている人が、同じ高齢者であるケースもあります。
ここで大切な役割を果たすのが、介護の専門職である「ホームヘルパー」です。ホームヘルパーとは、介護を必要とする家庭を訪問し、食事や入浴、着替えの介助等、身の回りの全てにわたる手助けを行う人を言います。介助を必要とする人たちが豊かな生活を送ることができるように、心と身体のケアをする大切な存在です。しかし現在では、こういった重要な役割を担っているホームヘルパーは大幅に不足しています。
厚生省の調べでも、「世帯の誰かが介護を必要とするようになった場合どうするか」の問いに対し、介護経験の有無を問わず全体の六割の人が「家族が中心となり、在宅サービスに補ってもらいたい」と答えています。それだけ在宅サービスへの期待と必要性を強く感じている結果と言えるでしょう。
ホームヘルパーとして励んでいらっしゃる方は、現在約16万人。しかし、まだまだ需要が高まっており、2010年には今の3.5倍にあたる56万人が必要とされる推計も出ています。人を思いやる気持ちと専門技術を持ったホームヘルパーは、これからの高齢化社会には必要な存在です。
(資料:総務庁統計局「国勢調査」及び厚生省人口問題研究所「日本の将来推計人口」、厚生省大臣官房統計情報部「国民生活基礎調査」「社会福祉施設等調査」「患者調査」「老人保健施設実体調査」「平成四年国民生活基礎調査」、厚生省老人保健福祉局)